震災によって事業継続できないことによる解雇
大震災により事業が継続できないような事態となった場合には、解雇はどうしたらよいか?
事前に予告なく、また解雇予告手当の支払いなしに解雇することが可能です。(この場合にも監督署の認定は必要です)
解雇は客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であると認められない場合は、解雇権を濫用したものとして無効と定められていますが、大震災で被害を受け事業継続できないという場合にはこれにはあたらないといえます。
・労基法第20条
使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となつた場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
今回の震災によって、事業を継続できなくなった、雇用を継続するのが難しくなったという事業所は相当数あるでしょう。
東日本大震災に伴う解雇、雇い止めの対応について、厚生労働省から通達がでています。(2011.4.8)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000018lba-img/2r98520000018mng.pdf政府は東日本大震災による新規学校卒業予定者などの採用内定取消しなどへの対応として、経済団体、業界団体に対し、下記の要請を行うとともに、被災地の学生や内定者の就職のために全面的な協力を求めました。(2011.3.22)
1. 採用内定を得ている被災地の新卒者等が、可能な限り入社できるよう、また、可能な限り予定していた期日に入社できるよう最大限努力すること
2. 被災地の新入社員の入社時期等について、個別の事情を充分に勘案し、柔軟な対応を行うこと
3. 大学生等の採用選考活動に当たっては、被災した大学生等からのエントリーシートの提出の締切等について柔軟に対応すること
4. 被災地の学生・生徒等を積極的に採用すること
東日本大震災に関する雇用の特別の措置について
今回の震災では、雇用に関する特例措置も厚生労働省から発表されています。
被災地においては大変厳しい状況であると思いますが、活用されるといいでしょう。
・事業所が災害を受け、事業を休止したなどの理由により就労ができず、賃金を受けとれない状態にある方は、失業給付が受給できます。
・被災された方の失業給付は、住所地以外のハローワークでも受給できます。
・失業の不安や雇用の維持など、被災中の様々な仕事に関する相談を受けるため、ハローワークに特別相談窓口が設置されています