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高齢者の活用・賃金設計

定年後、再雇用する場合の賃金設計をどうするか

60歳から65歳未満の従業員の賃金をどうすべきか?

時代の流れは改正パートタイム労働法がH20.4月施行され、同一労働、同一賃金の流れがだんだん強まることは間違いないでしょう。これは60歳以降の再雇用の社員も例外ではありません。年齢によって一律に6割に減額、というやり方は近い将来はもう主流ではなくなると思います。

しかし、この過渡期には、国が考えた補助制度があり、実際これを活用している企業は多くあります。

定年後の再雇用の賃金は現状では定年前の6割程度に設定する企業が多いのは、国の給付金の活用も考慮して、ということも多いようです。 定年前より賃金が低くなったとしても国からの公的給付を考慮することによって、実質的に定年時の賃金に近づけることができるからです。

公的給付には、在職老齢年金と高年齢雇用継続給付があります。
高齢者の体力・意欲・能力面を考慮した処遇(賃金)と在職老齢年金や高年齢雇用継続給付などの公的給付をうまく組み合わせることによって、企業側にとって効率的な賃金設計を行うことができます。

高齢者の賃金と年金と高年齢雇用継続給付との関係

定年後の再雇用は、労働条件を見直すことが一般的です。定年前より賃金が低くなった場合、国からの公的給付(在職老齢年金や高年齢雇用継続給付)を受けることによって、実質的な手取額は、定年時の賃金に近づけることができます。

在職老齢年金とは?

在職老齢年金とは、60歳以後、厚生年金保険の被保険者として働くと賃金老齢厚生年金の合計額に応じて年金の支給額が減額されます。このように在職中に減額されて支給される年金のことを在職老齢年金といいます。

年金カットのしくみ

〔60歳から64歳の場合〕
在職老齢年金は、60歳以降になっても給与・賞与額の高い人ほど支給停止額が多く、つまりもらえる年金額が少なくなるしくみとなっています。

1. 年金の月額と総報酬月額相当額の合計額が28万円に達するまでは、年金の支給停止はありません。

2. 1.を上回る総報酬月額相当額の場合には、ひと月の賃金の増加「2」に対して、年金額「1」が支給停止となります。

3. さらに総報酬月額相当額が48万円を超えると、総報酬月額相当額が増加した分だけ年金が支給停止されます。

支給停止額の計算式は以下のとおりです。


●65歳未満の在職老齢年金受給月額(加給年金を除く)の計算式

 

基本月額28万円以下

基本月額28万円超

48


(総報酬月額相当額+基本月額

ー28万円) × 1/2


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総報酬月額相当額 × 1/2



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基本月額28万円以下


基本月額28万円超

48

(48万円+基本月額ー28万円)×1/2
+(総報酬月額相当額ー48万円)


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48万円 × 1/2
+(総報酬月額相当額ー48万円)

 

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〔65歳から69歳の場合〕

65歳から69歳の在職老齢年金のしくみは、65歳までと比べて、支給停止について緩やかになっています。

1. 年金月額(加給年金除く)と総報酬月額相当額の合計額が48万円以下の場合は年金は全額支給されます。

2. 年金月額と総報酬月額相当額の合計額が48万円を超える場合に、超える額の2分の1が年金月額から支給停止されます。

3. 老齢基礎年金は全額が支給されます。


●65から69歳の老齢厚生年金の支給停止額の計算式

年金月額+総報酬月額相当額>48万円 の場合

(総報酬月額相当額+基本月額ー48万円)×1/2

が支給停止されます。

 

※老齢基礎年金は満額支給されます。

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〔70歳以降〕

平成19年4月以降、70歳以降の在職者についても在職老齢年金のしくみが導入されました。計算方法は、65歳以降と同じです。(昭和12年4月2日生まれ以降が対象になります。)

高齢者の賃金設計

在職老齢年金と高年齢雇用継続給付のしくみを利用した賃金を設計することにより、会社の負担も減らしつつ、従業員も実質的な手取り額を大幅に減らすことなく働いていただくことが可能です。

60歳以降の高齢者の賃金を、定年前の60%に引き下げた場合、年金の受給額にもよりますが、高齢者本人の公的給付を含めた手取り収入は、定年前の80%程度を確保できる可能性が高いです。 これらは年金受給額、高年齢雇用継続給付額、給与、賞与等に個人差があるのと、生年月日によっても変わる為、シュミレーションを組む必要があります。そして従業員に正しく理解してもらうための十分な説明が必要です。
給与を下げるということは、労災、雇用保険、健康保険、年金等それぞれに関係してくるため、導入には多くの注意点があります。エールではこれらをトータルでご相談にのり、いくつものシュミレーションをしたうえで、最適賃金のご提案を行い、社員本人へのご説明にも同席致します。

 

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投稿者 横浜市 社会保険労務士法人エール | 港北区・新横浜の社労士がマイナンバー対応&労務問題解決 :2008年1月11日

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