厚生労働省は28日、退院時に親が分娩(ぶんべん)費用を原則、負担せずに済む出産育児一時金新制度を、直ちに対応が困難な医療機関に対し、半年間実施を猶予する方針を固めました。
一時金は親でなく医療機関に支払われますが、出産約2か月後と遅れるため、資金繰り悪化を懸念する開業医らに配慮した形です。新制度は10月から実施されますが、資金調達の準備が間に合わない医療機関には、最長6か月間、実施を猶予します。
現行の制度は、妊産婦が費用を全額いったん支払った後で一時金を受け取る方式。新制度になると、親ではなく医療機関に直接支払われるようになります。
新制度下では、一時金は出産の約2か月後に支払われるため、出産を主とする医療機関では10月からの約2か月間、現金収入が大きく減ります。厚労省が制度の実施要綱を公表してから新制度開始まで約4か月しかなく、資金繰りに窮する恐れのある小規模の医療機関側から、制度の運用見直しを求める声が出ていました。
直接支払い制度に対応できない医療機関は、窓口に内容を掲示することを徹底。制度の利用を希望する妊産婦に直接説明した上で、書面での了承を得なければならないということです。
見直しでは、医療機関に約2か月間の入金の遅れが生じないよう制度を改める方針。さらに、一時金の支払先を医療機関にするか、親に戻すかも含めて検討する方針だということです。
なお、赤ちゃん1人あたり38万円支給されている出産一時金を4万円引き上げて42万円とすることについては、従来通り10月1日から実施されます。
投稿者 横浜市 社会保険労務士法人エール | 港北区・新横浜の社労士がマイナンバー対応&労務問題解決 :2009年9月30日