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裁量労働制

裁量労働制

労使協定を締結し、企業が業務の遂行方法や時間配分を労働者の裁量に委ねる制度を「裁量労働制」と言います。対象になる業務は限られていて、専門業務型と企画業務型に大別されます。

専門業務型裁量労働制の対象となる業務は次の6種類です。
1. 新商品または新技術の研究開発等の業務、人文自然科学の研究の業務
2. 情報処理システムの分析または設計の業務
3. 新聞・出版の記事の取材・編集、テレビ番組制作のための取材・編集の業務
4. 衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務
5. テレビ番組、映画等の制作のプロデューサー・ディレクターの業務
6. その他厚生労働大臣が指定する業務

6のその他の業務にはコピーライター、情報システムのコンサルティング、大学の教授研究、公認会計士、弁護士、建築士、不動産鑑定士、弁理士などがあります。上記に列挙した対象業務は、労働時間の長さと成果が必ずしも比例しないという面から、この制度が適用されています。

一方、企画業務型裁量労働制とは、産業構造の変化や多様化する業務に対応するために、2000年4月から施行された制度です。これにより、ホワイトカラー労働者の企画立案といった業務に対しても裁量労働制が適用できるようになりました。専門業務型よりも制限が多く、以下のすべての要件を満たすことが必要となります。

1. 事業の運営に関することについての企画・立案・調査・分析の業務
2. 業務遂行を労働者の裁量に委ねる
3. 業務の遂行手段及び時間配分の決定等に関し、使用者が具体的な指示をしないこととする

以上の要件の他にも、企画業務型を採用するには労使委員会の設置・決議が必要ですが、これらの要件はかなり厳しく、実際に採用している企業はまだ少ないのが実状です。

投稿者 横浜市 社会保険労務士法人エール | 港北区・新横浜の社労士がマイナンバー対応&労務問題解決 :2008年3月13日

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