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メンタルヘルス

遅刻や欠勤が急に頻繁になった社員がいる。

心の不調のイエローサインかも知れません。
いつもと何か違った様子の社員がいるときは、少し注意が必要です。

社員のこんな変化には要注意!

仕事面の変化
  • 無断欠勤、遅刻、早退、病欠が多くなった。
  • ちょっとしたミスや事故が多くなった。
  • 仕事に積極性がなくなった。
  • 能率が低下した。
様子の変化
  • 性格が急に変わったように見える。
  • 口数が少なく、つきあいが悪くなった。
  • 人とのトラブルが増えた。
  • 目立って痩せた(太った)
  • 元気がなくなった。

心の不調を抱えていても、本人はそれに気付いていなかったり、「会社や上司には迷惑をかけられない」と1人でがまんして、悪化させてしまうケースがあります。
管理職の方は、日ごろから部下の様子に気を配り・声をかけ、部下のイエローサインに注意して下さい。

「うつ病」の社員がいる。

「がんばれ」と言わない。

→ うつ病の方の場合、がんばって、がんばって、がんばり過ぎて病気となってしまうケースが多くあります。
本人も「がんばらなきゃ」とは思っていても、もうがんばることができない状態です。
例えば、身体的な病気でつらそうにしている人に対して、「がんばれ」「根性で乗り切れ!」と声をかけるでしょうか?
「大丈夫か?」「無理はするな」というような言葉をかけることが多いですよね。
心の病の場合、「気力がないからだ」「気分的ななものだ」という認識があるからこそ、ついつい「がんばれ」と言ってしまいがちです。
うつ病は気力の問題ではありません。本人もがんばれないことに苦しんでいるということを理解してあげてください。

辛そうなときは、早めに休養を。

→ うつ病の治療には、休養が重要です。責任感が強かったり、まじめな人ほど、会社や上司・同僚に迷惑をかけたくないと無理をしてしまいがちです。
無理をして、悪化させないためにも、早めの治療・休養を勧めてください。

気晴らしをさせない。

→ 元気がないので、「飲みながら話を聞いて、元気づけよう」と思ってしまいがちですが、基本的には無理に気晴らしをすすめることは避けてください。(本人が望むときは別です。)
うつ病は気分的なものではありませんから、無理な気分転換では治りません。
よかれと思ったことが、本人を余計疲れさせてしまうこともありますので、注意して下さい。

無理をしない。

→ 心の病気に関することは、大変気をつかいます。なんとかしてあげたいという気持ちが大きいばかりに上司や担当者が無理をしてストレスをためることになってしまっては元も子もありません。
1人で抱え込まずに、必要に応じて、社員の家族や会社、医師に任せるようにして下さい。

今は、問題はないが、対応しておきたい。

メンタルヘルスに影響を与える職場環境でないか、チェックする。

職場のコミュニケーション、労働時間、仕事の配分・・・御社の職場環境はどうでしょうか?
慢性的に長時間労働となっているならば、増員や業務の効率化が必要です。
問題が起こる前に、対応が必要です。

管理職への研修

管理職はメンタルヘルスケアのキーパーソンです。
普段から社員と接している管理職にしかできないケアがあります。
まずはメンタルヘルスについて正しい知識をもつこと、日常的なコミュニケーションを心がけてもらうこと、心の不調の早期発見のポイントなどを習得してもらうことが大切です。

就業規則の見直し

メンタルヘルスは近年、企業にとっての問題(重要課題)となってきました。
そのため、古い就業規則ではメンタルヘルスの問題には対応できていないというケースが多く見受けられます。
「うちは従業員が少ないから大丈夫」ということはありません。中小企業でもメンタルヘルスの問題は起こっていますし、人数が少ないからこそ、1人の休職・退職の影響は重大です。
問題が起こってから、就業規則を見直すのでは遅いのです。
起こる前に、見直し・整備が必要です。

なぜ、メンタルヘルスへの対応が必要か?

1.メンタルヘルス不調者の増加

◆精神障害の労災補償請求・決定件数

  S58年度〜
H13年度
(19年間)
H14年度 H15年度 H16年度 H17年度 H18年度
請求件数 808 341 447 524 656 819
決定件数 296 340 425 449 607
うち支給
決定件数
135 100 108 130 127 205

注)決定件数は、当該年度に請求されたものとは限らない。

支給決定件数は、決定件数のうち業務上として認定された件数。

ストレス社会と言われる現在、どこの職場でも(会社の規模・業種を問わず)起こる可能性があります。
また、仕事に起因する精神障害の増加に伴って、安全配慮義務が企業に強く問われるようになってきています。

安全配慮義務

安全配慮義務とは、「労働者が労務提供のために設置する場所、設備もしくは器具等を使用しまたは使用者の指示のもとに労務を提供する過程において、労働者の生命および身体等を危険から保護するよう配慮すべき義務」のことです。使用者(企業)は、正社員だけでなく契約社員、パートタイマー、アルバイトなど、直接、労働契約を結んだ労働者に対して、安全配慮義務を負っています。簡単に言えば、『会社で雇用しているすべての人の心身の安全を守り、病気やけがをしないよう注意する』義務が企業には求められているのです。

2.企業にとって、重要な人材ほど心の病になりやすい。

うつ病になりやすいタイプ
  • 真面目
  • 几帳面
  • 責任感が強い
「心の病」が最も多い年齢層

  「心の病」が最も多い年齢層

30代・40代の働き盛りで、まじめで几帳面で責任感が強い人・・・企業の中核となる人材のはずです。そんな社員がある日突然、休職または退職してしまってからでは、遅いのです。

3.企業パフォーマンスへのマイナス影響

心に不調をきたすことで、業務能率の低下、ミスの増加、重大事故の発生等がおこることが考えられます。
また、うつ病等の心の病の場合、休職が長期化する傾向にあるため、その間、他の従業員の負担増、生産性の低下などの企業パフォーマンスにマイナスの影響が及びます。

管理職はメンタルヘルスケアのキーパーソン

うつ病の場合、早期の治療と休養が重要と言われています。
病気になってしまった本人に自覚がない場合またはおかしいなと思いつつも我慢し続けてしまっている場合に、その変化にきづくことができるのは常日頃、従業員と接している管理職です。

管理職に求められるもの

その1.職場でのコミュニケーション

職場のメンタルヘルス低下要因として、コミュニケーションの希薄化が挙げられます。
そのため、管理職には職場内でのコミュニケーションをとり、部下と上司、同僚同士の関係がスムーズにいくような明るい職場づくりが求められます。
また、日常のコミュニケーションがとることで、ちょっとした部下の変化に気付け、何か問題がおこったときには相談しやすい雰囲気をつくることができます。

その2.労働時間の管理

労働時間が増えると、睡眠や休養の時間が減るため、ストレスや疲労が蓄積します。
管理職には部下の労働時間・労働状況をきちんと把握し、心身の健康を害さないよう配慮がもとめられます。

その3.仕事の質・量の管理

仕事量が多すぎるということも、大きなストレスです。(過重労働にもつながります。)また、責任の範囲の不明瞭さ・業務の進め方の曖昧さなどもストレスに強く影響しています。
仕事の内容・量を把握し、特定の人(優秀な人に仕事は集まりがち)に仕事が偏っていないか、適正な業務分担となっているかチェックが必要です。

メンタルヘルスケア5か条
  1. 社内のコミュニケーションをよくする。(気配り・声かけ・気づき)
  2. 従業員の変化を見逃さない。(遅刻・欠勤の増加、感情、仕事の能率)
  3. 過重労働とならないよう、仕事の量や役割分担を考える。
  4. 仕事の役割と責任を明確にする。
  5. メンタルヘルス不調者が出た場合には、早めに休養をとってもらう。

投稿者 横浜市 社会保険労務士法人エール | 港北区・新横浜の社労士がマイナンバー対応&労務問題解決 :2008年1月25日

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