1月27日に、平成20年度第2補正予算が成立しました。これにより厚生労働省の第2次補正予算(案:生活対策関係予算7,399億円および新たな雇用対策関係予算1,587億円)も案のとおり成立しました。
この中には助成金制度の新設・拡充が多く盛り込まれています。厚生労働省の第2次補正予算のうち、労働分野の助成金制度についてその概要をお伝えします。(なお、これらの詳細は関連法案成立の後になります。)
1.中小企業等の雇用維持支援対策の強化
中小企業の教育訓練・出向・休業による雇用維持の取組を支援するため、中小企業緊急雇用安定助成金(賃金、手当の4/5を支給)について、3年間を通じ連続した制度利用を可能とするとともに、支給限度日数を拡充する(3年間200日→3年間300日)。また、大企業については、雇用調整助成金の要件緩和・助成率の引上げ(1/2→2/3)等を行う。
2.派遣先による派遣労働者の雇入れの支援
派遣可能期間の満了前に派遣労働者を直接雇い入れる派遣先事業主に対し、奨励金を支給(1人100万円(有期雇用の場合50万円)(大企業は半額))することにより、派遣労働者の直接雇用を強力に推進する。
3.年長フリーター等の支援のための奨励金の創設
年長フリーター等(25〜39歳)を対象とした求人枠を積極的に設けて正規雇用する事業主等に対して、奨励金を支給(中小企業1人100万円、大企業50万円)することにより、今後3年間で集中的に年長フリーター等の雇用機会の確保を図る。(制度要求)
4.中小企業の就職困難者の雇入れに対する支援の拡充
高齢者、障害者、母子家庭の母等の就職困難者を雇い入れる企業に対する特定求職者雇用開発助成金について、中小企業については支給額を拡充する(1人60万円→90万円)。
5.訓練期間中の経済的支援等の拡充
ジョブ・カード制度における雇用型訓練を実施する企業への助成制度の拡充(中小企業の助成率を2分の1から4分の3に引上げ等)、訓練期間中の生活保障給付制度の拡充(返還免除要件の拡大(年齢制限の撤廃等)及び扶養家族を有する者に対する貸付額を10万円から12万円に引上げ)により、非正規労働者の安定的な雇用への移行を促進する。
6.障害者雇用対策の推進
中小企業における障害者の雇用を促進するため、初めて障害者を雇用した中小企業に対する奨励金(100万円)を創設する。また、今般の景気後退等により解雇・勧奨退職等を余儀なくされた障害者等を新たに雇用して、特例子会社や重度障害者多数雇用事業所を設立した事業主に対する助成金(10人以上の雇用で2,000万円支給等)を創設する。
7.内定を取り消された学生等への就職支援等の強化
企業名の公表も含め、企業に対する指導を徹底するとともに、採用内定を取り消された就職未決定者について、早期に就職先が決まるよう、年長フリーター支援のための奨励金(中小企業1人100万円、大企業50万円)の対象に特例的に追加する。
8.介護人材確保職場定着支援の拡充
介護労働者の確保・定着及び年長フリーター等の雇用情勢の改善を図るため、介護業務未経験者のうち年長フリーター等を雇い入れ、6か月以上定着させた事業主に対して、通常の介護関係業務未経験者を雇い入れた場合よりも助成額を引き上げる(50万円→100万円)。また、介護労働者の作業負担軽減のための介護福祉機器(移動リフト等)の導入において、事業主が導入・運用計画を提出し、厚生労働省の認定を受けて導入した場合に、その導入に係る経費の2分の1(上限250万円)を助成する。
9.中小企業の子育て支援促進
育児休業・短時間勤務制度の利用を促進するため、育児休業取得者又は短時間勤務制度の利用者が初めて出た場合に、1人目及び2人目について支給対象としている中小企業事業主に対する助成金の支給対象範囲を5人目まで拡大するとともに、2人目以降の支給額を増額(育児休業:60万円→80万円等)する。また、労働者が利用した育児サービス費用を負担する中小企業事業主に対する助成金について、助成率・助成限度額を引き上げる(助成率:1/2→3/4、限度額:30万円→40万円(1人当たり)、360万円→480万円(1事業主当たり))。
投稿者 横浜市 社会保険労務士法人エール | 港北区・新横浜の社労士がマイナンバー対応&労務問題解決 :2009年1月29日
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