2021.09.08

「心理的安全性」の大切さ

鎌倉です。

エールでは毎月、リーダーと経営や組織についてディスカッションする時間とコーチングの時間をもっています。
その中で先日、「心理的安全性」について、ディスカッションする時間がありました。
心理的安全性は、組織行動学を研究するエイミー・C・エドモンドソン教授が提唱した心理学用語です。
Googleが心理的安全性の重要性、生産性との関係について研究結果を発表したことで一躍注目されました。

Googleが生産性の高いチーム、生産性の低いチームの差をデータを分析した結果、
生産性が高いかどうかは、優秀なメンバーがチームにいることではなく、
「心理的安全性」が重要であることが判明したそうです。
「このチーム内では、対人関係上のリスクをとったとしても安心して発言できるという共通の認識」
心理的安全性は、組織の共通目的に向かう者同士が、恐怖や拒絶、不安を感じず、
発言をしたり意見を表明したりできる状態を指します。
心理的安全性が保たれていない組織では、周囲を気にして間違いを指摘できなかったり、
はずれることを恐れて意見を表明しない、トラブルやミスが表面に出てこない、
その結果、組織の課題が解決できず、生産性を落としたり、アイデアが出ずイノベーションが起こせないなど
悪い影響をもたらすのです。このような状況に陥ると組織は停滞し始めます。
心理的安全性が高い環境では、皆が恐怖や不安を感じないため、自分の率直な意見を表明できて、
大きなトラブルになる前に問題を解決できます。
研究では、心理的安全性が高いほど、トラブルやミスが頻繁に報告され改善も早く、
学びの機会が多いという特徴があったそうです。

互いを信頼し、組織を良くしようという主体性をもって意見を出せることは
VUCA時代(先行き不透明で予測が困難な時代)といわれるこれから、ますます重要になります。

新型コロナウイルスの感染拡大で、顔を合わせてコミュニケーションを取る機会も減り、
制限された状況でどう心理的安全性を保つかは、今、多くの企業で課題になっています。
自然に任せているだけでは足りません。
そしてそこに果たすリーダーの役割と心理的安全性についての理解もカギになります。
決して、生ぬるい職場、優しい職場ということではなく、「理念に基づいて」「共通目的のためであれば」、
対人関係上のリスクをとったとしても安心して発言できる、ということの大切さ、
改めて組織として意識したいところです。
カルチャーをつくったり、変革するのは時間を要すものですが、組織の根っこをつくる時間は大切にしたいですね。

 

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