2022.01.15

コラム②:労働基準法の両罰規程とは?

こんにちは。社労士もっちーです。
エールで労働法の話をする機会があったので改めて復習してます。
その中から労働法の基本について、意外と知られていないと思うのでミニ知識を発信していきたいと思います!

労働基準法(以下労基法という)に違反した場合には誰が処罰されるのでしょうか?
会社が労基法に違反した場合に処罰されるのは、労基法に定められた「使用者」です。労基法第10条では使用者の定義を「事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう」と定めています。この「使用者」とは、部長や課長などの管理職などの個人も含まれるのをご存じでしょうか?

両罰規定とは、労基法に違反する労働を故意に命じた管理職と会社の両方が刑事罰の対象になることをいいます(労基法121条)。
最近の事例では、電通の過労死事件が注目されましたが、電通と元上司は労基法違反で書類送検されてニュースでご覧になった方も多いでしょう。元上司は不起訴になりましたが、これも両罰規定の例になります。

労基法違反の状態は労基署による監督(是正の指導等)で是正される例も多いですが、悪質な事案の場合は刑事罰(労基法119条等)の可能性もあります。
使用者の立場の方(部長や課長などの管理職で会社側として指揮命令する方)も、労働基準法の両罰規定を知っておくことが大事ですね。